月27日,教養部文教講堂)行申会関(ウ)美術に関する国際会議出席lorenzettiの作品を調査したく思ったがこれについては次回に廻さざるをえなかった。ローマではイズメオ(東洋研究所)を訪れ意見を交換し,文献研究を行い,~International Symposium-Ancient Greek and Related Pottery ピーした。現在中国関係の研究者と調査中である。さらにベロージ教授と会見し,シェナ大学におけるこの方面についての研究について質問し,これから共同して行うよう約束された。(この面において未開拓であることを告白された。)市役所のSimoneの作品を研究し,LorenzettiのSanFrancesco教会堂の「東洋殉教図」を再検討し,これらについて論文をまとめるメドをつけることが出来た。アッシジでは聖フランスチェスコ聖堂下院のSimoneの作品を観察し直し,これを東洋との関係から再検討することが必要であるのを確認した。その他トスカナ地方の各都市にあるSimoneやはアジア研究所で同様のことを行い多くの文献を得た。宜叫;での中国絵画の観察は当時の中国絵画の成果を見る上で重要であった。シモーネらもこうした作品の関連作品を見たと考えられるからである。以上簡略に述べてきた本調査の結果は,今年から来年にかけて書かれる二論文の中にまとめられることになっている。しかしシエナ派の画家について,さらに調査が必要と思われ今後も協力をお願いしたい。鹿島卯女氏の訳書『シモーネ・マルティーニ』の研究を,さらに発展させ,東洋人にふさわしい角度から見直すことは,貴財団の主旨に沿うものと思われるからである。この派遣によって発表した著書,論文及び報告書名・講演題目:「シモーネ・マルティーニの東洋との関係,『美術史学』6号東北大学美術史研究室発「ル・ネサンス像の再検討,9月の調査旅行の成果」東北大学教養部,秋季講演会(10「アンブロジオ・ロレンツェティと東洋との関係」「フィロカロス」1984年号掲載予定者:大阪市立大学文学部助教授名:古代ギリシア陶芸及び関連陶芸に関するシンポジウム隆志82_
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