鹿島美術研究 年報第1号
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概勉概概2.鎌倉時代造像銘記の調査研究3.京派絵画の調査研究1. 19世紀ヨーロッパ風景画の諸問題19世紀のヨーロッパ風景画の研究は,比較的近年の研究課題である。これは「自然研究:国立西洋美術館研究員とのかかわり」の問題とも言い換えることができる。ヨーロッパにとって二義的な風景画と,それが一義的である国や日本の文化を頭におきながら,風景画の中に「19世紀ヨーロッパ」というふうにくくり得る幾つかの特徴があり,そこに近代の人間のあり方と自然とのかかわりの新しい形を読みとることが可能かどうかを研究したい。研究者代表:東京芸術大学美術学部教授水野敬三郎共同研究者:西川新次・副島弘道・山本鎌倉時代の彫刻遺品は多数に上るが,その複雑多岐な史的展開は,なお十分に把握されていない。この期の造像事情・作家流派の研究や編年史的研究のための,最も礎的資料となるのが造像銘記及びそれを有する作品についてのデータであり,本研究はそれらを網羅的に収集整理して鎌倉時代彫刻史の解明に資せんとするものである。研究者:京都大学文学部助教授佐々木丞平「京派」とは江戸時代中・後期に活躍した円山四条派及びその分派の画家達を意味する。今までにも「京派」を代表する円山応挙,長沢芦雪など四条派の祖といわれるついて紹介されてきたか,それは名品主毅の立場から発掘が中心であり,応門十哲と呼ばれている圃家達を始め,この派を支えていた集団としての活動の実態の調に付されている。この調査は京派絵圃研究のための基礎となる作品採択研究課題概要は次のとおりとの比較を通じて,ヨーロッパにおける自然観を中をして渕明をより→し,「京派」のすそのの広がりを--4

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