鹿島美術研究 年報第1号
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ー19世紀末から20世紀初頭における一画商の活動の軌跡一3.林忠正宛書簡の研究概1.フランス,ロココ絵画の研究研究者:神戸大学文学部教授池上忠治概要:わが国におけるフランス美術の研究は,近代及びそれ以降に限定されているきらいがある。ロココ絵画を含む18世紀美術について日本語文献が少ない。この点を補うことがフランス美術ひいてはヨーロッパ美術のより正しい認識に繋がる。故小林太市郎教授の蔵書及び資料を収集して充実を図りたい。2. 16世紀ネーデルランド版画の研究研究者:福井県立美術館学芸員神原正明概要:美術館として絵画の収集は困難になりつつあり,これに代るものとして近,現代の版画を収集しているが,近代以前の作品が少ない。西洋古版画特に「16世紀のネーデルランドの版画の研究」を出発点として,今後美術館で収集するであろう西洋版画について,研究しておくことが必要である。16世紀のネーデルランドはアントワープやハールレムを中心に版画芸術の最盛期であった。研究代表者:国立文化財研究所美術部研究室長三輪英夫浮世絵や日本美術品の画商林忠正(1853■1906)のパリ滞在中の友人や顧客から受取った書簡650通が当研究所に保管されている。これらの人の中に当時ヨーロッパで流行した「ジャポニズム」の担い手たち,コレクター,外交官,美術家等があり資料的に価値がある。この研究によってその当時に生きた人々の活動,交流を明らかにし当時の日本美術に対する内外の関心のあり方を探りたい。(共同研究)調査研究の助成。国際交流援助の研究採択課題概要-21-

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