鹿島美術研究 年報第1号
38/110

4.フランス新古典主義美術研究5.雪村周継の研究6. 15世紀のフイレンツェの美術工房の研究ーナポレオン関係美術の研究一研究者:明治学院大学文学部講師鈴木杜幾子概要:フランスの新古典主義美術とロマン主義美術の相互浸透の具体的様相を,ナポレオン関係の美術というテーマを巡って探究する。グルーズ,ウードンに始まりダヴィード,グロ,アングルを頂点として19世紀の官展派の芸術家の図版を統一的に収集し,ロマン主義的「内発的英雄観」と古代ローマ帝国に倣って皇帝の称号を帯びた外的規定された存在としての英雄観との関係を探りたい。研究者:闘大和文華館学芸課長概,要:雪村は雪舟に私淑するが追従せず,新しい水墨画の可能性を開拓し近世絵画の先駆となったが,活動の地が関東,東北であったため,都の文人画人に知られることがなく文献史料が少ない。昭和初期の故福井利吉教授をはじめ先輩の地道な研究で雪村の遺品約200点が確認された。今日も新資料が発見されている。この研究はそれらの中より雪村の確実な作品を選び出すことを基本として,作品の一つ一つに当って作品の主題,モチーフに注目し素材,技術を検討し評伝及び総目録の作成を目標にしたい。研究者:茨城大学教育学部助教授森田義之一部国際交流援助イタリア初期ルネッサンス美術特にフイレンツェ美術の全体像を把握するため,15世紀のフイレンツェの主要工房の実証的研究をする。ルネッサンス期の芸術生産構造を知るにはパトロン(発注者)と工房(生産者)の研究が必要で,工房に焦点をあて林進概22

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る