概健概24.中国漆工芸の基礎的研究26.友禅染と描絵小袖25.ゴーガンの象徴主義研究者:東京国立博物館東洋美術室長中国の陶磁史に比べて漆工芸史の研究は未だ基礎的研究さえ行われていない。幸いわが国には県多しい数の中国漆器が温存されており,特に宋,元時代のものは中国本土にさえ伝世されていない貴重なものがわが国にある。このことは,わが国が諸外国に比し中国漆器の研究をするのに最も適している。この研究は日本各地に遺存する中国漆器を調査し,その資料を収集整理し,更に光学的方法を使って実証的に分析し総合的に考査したい。研究者:東京国立近代美術館研究員本江邦夫概要:ゴーガン自身の言説,また当時の象徴主義者が発行した数々の小雑誌,小冊子を参照しつつ象徴主義運動における画家の位置づけを明らかにする一方で,画面構成の分析を通じて,その象徴主義的主題の本質的な新しさを追求し,「美学」と「制作」を総合的にとらえ,ゴーガン研究に新しい視点をもちこむことを研究したい。一染織史における絵画のはたらき一研究者:京都国立博物館京都文化資料研究センター資料調査研究室長切畑日本の染織史における意匠の絵画的性格を歴史的に概観し,各種の友禅染資料,現存する描絵小袖について実査し,絵画性,工芸性のかかわりを具体的て近世の画家における描絵表現に関する文献資料を収集する。岡康宏し,併せ-28-
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