同:地蔵菩薩像:阿弥陀如来及両脇侍像正念寺:阿弥陀如来像(3) 京派絵画の調査研究研究者:京都大学文学部助教授佐々木丞研究報京派とは,具体的には,江戸時代中,後期に活躍した円山四条派及びその分派の画家達を意味する。今までにも「京派」を代表する円山応挙,長沢芦雪や,四条派の祖といわれるは,いわば名品主義の立場からの発堀作業が中心となっていた訳であり,応門十哲と呼ばれている画家達を始め,いわば,この派を支えていた集団としての活動の実態を調査することはほとんど等閑に付されてきた。この調査は,京派絵画研究の為の基礎となる作品の調査,及び写真資料の収集をたる目的とするものであるが,そうした基礎資料の集積とその分析を通じて応挙様式の実態を浮き彫りにすると同時に,その展開の様相を明らかにすることを課題としている。い,昭和59年度も引き続き助成金をいただくことになったので,研究成果のとりまとめは,昭和60年3月に報告書として提出することにし,とり敢えず当調査研究の経過を中間報告したい。昭和58年度に実施した方とその特色を紹介しておきたい。立像,木,彩色,1躯,156.0造像記〔両足先裏〕正応元(1288)各立像,木,銀泥塗・切金,3躯,阿弥陀99.0観音63.2勢至62.1造像記〔両脇待足柄〕永仁3(195)法師院玄立像,木,漆箔,1躯,76.5※台座内に文治3年(1187)の銘があるが,後銘であり,また像の製作も文治3年まで遡りがたい。については,かなりの数の作品が紹介されてきた。しかし,それら中から,三つのケースを取り上げ,本調査研究の有り-46
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