鹿島美術研究 年報第1号
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(9) ギリシャヘレニズム期及びローマ時代のアフロディテ(ヴエヌス)像(その原作の復元と制作年代の決定)研究者:共立女子大学文芸学部助教授中山典夫研究報昭和58年度調査研究内容〇目標前掲課題についての本格的な調査研究の初年度で本年の目標は,ドイツ,ギリシア,イタリアに於いて可能な限り多くの資料及び文献を蒐集すること,また海外の研究者たちとの資料及び情報を交換することであった。0準備4月から7月にかけて,これまで集め得た情報や資料を整理し,海外に於ける調査研究の準備をした。0調査および資料の蒐集8月17日より10月5日までヨーロッパに滞在し,西ドイツ・ミュンヘンを拠点として調査及び資料の蒐集を行った。ミュンヘンミュンヘン大学考古学研究所に於いて主として文献及び写真の複写を行った。この際,今日に於いてはもはや入手が不可能と考えられていた19世紀の貴重な文献を幾つか複写することができた。またミュンヘン古代彫刻館所蔵の作品について調査を行った。ギリシア(8月29日〜9月5日)アテネ国立考古学博物館所蔵の作品について調査を行った。また,ロドス島に渡る機会を得,当地美術館所蔵のくうづくまるアフロディテ>や幾つかの未発表の作品について調査することができた。イタリア(9月8日〜13日;9月27日〜10月4日)1回目のイタリア旅行の際にはフィレンツェ,ローマ,ナポリの諸美術館所蔵の作品について調査し,2度目の旅行の際にはローマのドイツ考古学研究所に於いて写真及び文献の蒐集を行った。当研究所の膨大な写真資料の中から多くの良質の写真を複し得たことは大きな収獲であった。-61-

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