(11) 西洋絵画の日本における保存修復のあり方(理論と技術)2.西洋絵画の材料技法の科学的調査。3.保存修復技術の実験研究。研究代表者:国立西洋美術館学芸課主任研究官共同研究者:河口美術修復工房主宰河口公夫研究報調査研究の目的に沿って,以下の項目について調査研究作業を進めてきた。1.基本図書資料,絵画材料及び修復材料の収集。いずれの項目についても,現在はまだ基礎的な調査研究作業を進めている段階であり,また経年変化に関する長期的な視野に立つ実験もあり,成果をまとめるまでには至っていない。以下は今後の展望を踏まえた中間的な報告である。1.1)基本図書資料の収集西洋絵画の材料技法,保存科学,修復技術に関する基本図書資料を収集することを目的とし,欧米の研究者及び研究機関の協力を得て作業を進めている。主な資料の入手先は以下の通りである。I I C :国際文化財保存学会(ロンドン)ICCROM :国際文化財保存修復研究センター(ローマ)1.2)絵画材料及び修復材料の収集実験材料の制作と材料研究を目的として,国内の画材製作所とドイツの顔料化学研究者,修復家の協力を得て収集を進めている。既に収集した主な材料は下記の通りである。カンヴァス用麻布生地:約20種絵画用天然顔料粉末:約40種接着材等:約20種板絵木材サンプル.・現在ドイツの木材加工所に協力を依頼している(未着)。2.西洋絵画の材料技法の科学的調査ルネッサンス以降19世紀にいたる絵画作品(板及び麻布を基底材とするイーゼル・ナショナル・ギャラリー(ロンドン)ゲルマン民族博物館修復部(ニュルンベルク)ウィーン美術大学保存技術学科,クレーマー顔料研究所(ロッテンプルク)スイス地方博物館(チュリッヒ)長谷川三郎-65
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