同彬(9) 「メディチ家礼拝堂」におけるミケランジェロの宇宙論(中間報告)仏木寺:大日如来像:弘法大師像如法寺:地蔵菩薩像太山寺:五智如来像大乗寺:地蔵菩薩像研究者:大阪府立大学総合科学部助教授中江調査研究の目的:本調査研究は,1520年から1534年頃までのミケランジェロの,ひいてはルネサンス期の美術における宇宙観の変遷史に関する資料収集であり,それらの資料に基づき「メディチ礼拝堂」における宇宙論と,それ以降に創造される地動説的イメージとの解明にある。そのためにフィレンツェにおいて,メディチ家の教会サン・ロレンツォに係るミケランジェロの活動(「メディチ墓碑」「ファサード」「図書館」)について調査するとともに,当時ミケランジェロが参考にすることのできたフィレンツェの特異な教会サン・ミニアート・アル・モンテの構造についても研究する。特にミケランジェロの「メディチ礼拝堂」の諸国像にこめられた異教的側面のなかに古代の宇宙論を見出し,上述のサン・ミニアート・アル・モンテの諸国像と比較することで,太陽中心の坐像木,彩色,1枢,116.5造像記[像内]建治元(1275)仏師東大寺流行ロ坐像木,彩色,1枢,87.5造像記[像内]正和4(1315)大仏師三位法橋行継立像,木,彩色,1枢,163.1造像記[足柄]建治2(1276)大仏師法橋興慶各坐像,木,彩色,5枢,大日118.5,その他85.0-88.5造像記[大日像内]正応3(1290)修理仏師□口立像,木,彩色,1枢,250.3*従来,この像を『吉田古記』に建治4年(弘安元,1278)記の像内彩色銘の写しを掲げる像にあてているが,いま像内に銘記は認められない。-89-
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