3.土佐派についての総合研究1.ポンペイ第二様式壁画の研究(継続)研究者:東京大学文学部文化交流研究施設助教授ギリシャ大絵画の伝統を最もよく継続しているポンペイ第二様式絵画について,今世紀初頭に提起された第二様式の特徴に関して従来の定義に対し,第二様式の概念を再検討し,ヘレニズム絵画をも体系化しうる様式概念を提起しようとするものである。らは現地調査によって入手不能な写真撮影,カタログ作製のための資料収集,収集した資料とこれまで発表された研究の比較検討,研究成果の総括をしたい。2. 1950年代の美術の国際的な表現主義傾向について研究者:国立国際美術館研究員建畠1910年代のドイツ表現主義や北欧表現主義,ダダイズム,戦前の抽象絵画等との経脈を中心に美術史的な考察を行なうとともに時代状況を踏まえた広範な視野によって各運動を比較検討したい。そして1950年代の表現主義的運動の史的背景を明らかにし,戦後美術の一つの原点としてその後の絵画の展開に果した役割をも考察し,従来批評や回顧の文脈にまかされていた問題に美術史的な照明を与えてみたい。研究者:文化庁文化財保護部美術工芸課文化財調査官宮島新一室町期を代表する土佐派の興亡の意味を問い,室町期の水墨画の主流が如拙,周文派から,小栗狩野派への転換した理由を側面から明らかにしたい。そして土佐派固有の画風を分析し,純正な土佐派作品の選別と総合を行なう。概要昭和58年の助成によって,基本的な研究資料の収集,整理,分類まで行った。これか概要概要調査研究の研究採択課題概要哲柳正規-32-
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