概新4. 15世紀プロヴァンス絵画の図像学研究5.「ヨハネ」黙示録写本挿絵について6.銘文を持つ日本絵画(14世紀〜16世紀)の基礎的研究研究者:弘前大学人文学部専任講師西野概要わが国においてはプロヴァンス美術に対する認識は不十分であり,これについて包括的な研究書を著わすことは急務である。15世紀中葉のプロヴァンス諸工房にみられる折衷様式の分析,プロヴァンス美術におけるキリスト教図像の発生論的分析,歴史的展望について文献を整理しプロヴァンス美術史の書誌を編む。研究者:大阪美術大学非常勤講師水島ヒロミ今日,終末論的な話題に事欠かない状況にあるが,終末論が数量化されているところに「時間」の継続が望めない「終り」があるように思われる。ところか「ヨハネ黙示録」はこれが終末論的解釈の対象となって以来危機感が高まるとその依りどころとされ続けた。終末は絶えず先へ延ばされ,黙示録本文の解釈は,それぞれの時代相を反映した。このような,未来に照らして解釈されるべきという本文に対して挿絵画家は他の歴史的な主題の場合とは異なった対応を迫られたのではないかと予測される。固定され難いテーマを画像イメージによって定着するその方法を探求することは,挿絵研究に新しい広がりをもたらすと考える。研究代表者:東京国立文化財研究所美術部第一研究室長共同研究者:米倉迪夫・鈴木広之•島尾ニ宅久雄概要今までに14世紀までの絵画作品にみられる銘文等や書跡,彫刻にみられる「絵仏師」に関する資料を編集整理し「日本絵画史年紀資料集成10■14世紀」として公刊したが,本研究はその後をうけて14世紀〜16世紀の作品を対象に年紀資料を中心とする基礎的研究を続行しようとするものである。若手研究員5名の共同研究により必ずや大きな成果を挙げ美術界に神益し得るものと思う。関口正之-33
元のページ ../index.html#49