鹿島美術研究 年報第2号
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24.獅子表現の源流とその展開に関する研究概要23.南北朝,室町時代(14世紀〜16世紀前半)における障屏画の調査研究ー大和絵を中心とする一研究者:跡見学園女子大学美術史学科助教授安達啓子概要南北朝から室町時代の壁画,障子絵,屏風絵など主として大和絵系作例の実査による資料収集を行い,これまで明らかにされている作例と共に省察し,壁画,障子絵,屏風絵を含めた編年的基礎的資料を作成し,次に絵巻画中画資料等や文献資料も駆使して,個別的な諸問題の研究に取り組んで中世大和絵障屏画の相貌を明確化させてゆきたい。研究者:京都国立博物館主任研究官伊東史朗概要獅子は正倉院の工芸品にみられるよう各種の意匠として使われるが,その他の絵画,彫刻においてその具象的な姿が表わされている。そして宗教的な意味を含めて,広く世界的に使用されている。そこで各地における獅子表現の特色を個別に明らかにし,具象的なものと抽象的な意匠化されたものと分けて,各々の流れとその様相を窺うことなどが考えられる。これらの他に獅子表現を全アジア的視野のもとで,その系統と特色などを明らかにしたい。25. 16世紀イタリアの美術家と古代遺跡(継続)研究者:学習院大学人文科学研究科博士課程末永古代絵画の遺品がほとんど知られていなかったルネッサンス期においては,美術家たちが直接に接することのできる古代美術は,主に彫刻と遺跡であった。特に遺跡については当時の美術家によって素描,図面,版画,油彩画,壁画といった絵画に描かれ,今日に残されている。これら現存の絵画資料にもとづいて美術家と古代美術の関係を探る。40 航

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