鹿島美術研究 年報第2号
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•なお,グロッセ,マイヤーに関する一括資料がフライプルグに所蔵されていること②の研究1902年パリで催された林コレクション売り立て目録くCollectionHayashi-Estamps Dessins Livres illustre>に所収の浮世絵全1881点について,作者別のリストを作成し,ERNST GROSSE 1862-1927), 1977により,フライプルグ及びミュンヘンの博物館へ・両者の書簡にでてくる美術家,美術品,書籍名等の主なものは以下のとおりである。葛飾北斎<富嶽三十六景><諸国名橋奇覧><江戸名所><北斎写真画譜>歌川広重<東都名所><名所百景>多川歌麿<百千鳥狂歌合>歌川豊国<江戸名所>勝川春章<青楼美人合姿鏡>北尾政美(鍬形恙斎)<人物略画式><鳥獣略画式><山水略画式><光琳百図><光琳新撰百図>牧深<芦雁図>伝文馳<山水画>その他,「美術大観」,朝鮮壺,楽焼,仁清,絵南蛮,絵唐津水差,瀬戸天日,仏頭,奈良時代の仏像,大日如来,地蔵菩薩,文殊菩薩,達麿図,羅漢像,仁王像。をガイガー・クライン女史から教示された。③その他の宛書簡については随時読み下しを行っており,E.ミショットをはじめ数人の宛書簡については内容の検討に入っている。く周辺資料の研究〉①起立工商会杜の調査林が関係した起立工商会社の設立の経緯,組織,輸出美術品の内容等についての資料を収集するとともに,東京芸術大学芸術資料館所蔵の「起立工商会社下絵<着画通冊>」約1,000点を調査した。流派別,主題別等の検討を行った。その結果,本目録が日本版画史の流れをほぼ網羅していること,さらに,掲載図版から特色ある構図をもつ作品が多用されていることなど,ジャポネズリーの成熟と対応して考えうる幾つかの編集上の特性を見出した。③その他グロッセの事蹟に関しくDERFREIBURGER VOLKERKUNDLER の日本・東洋美術収集に対するグロッセの役割を調査した。また,<LACOLLECTION -62-

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