鹿島美術研究 年報第2号
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工名位置今回の研究の主たる目標は,当該テーマに関する基本的文献の探査と収集にあり,内容的な研究は緒についたにすぎないが,以下,今後の研究の前提になる諸工房の位について簡単に触れておきたい。この調査には,15世紀のフィレンツェ市の都市空間の再構成と文献上の記述の照合が必要であるか,現段階では,古地図等による都市地理(街路等)の確定は,史料的限界から,まだ充分に進んでいない。とりあえず文献的に確認できる主要工房の位置を記しておくに留めたい。① Masaccio I Badia fiorentina付近(Bargelloの向かい)(晩年)② Donatello ⑤ Luca della ⑥ Desiderio da I Santa Trinita聖堂付近(借家)S. Maria N uova病院向かい(1450年)→15世紀末にLorenzoの孫Buonaccorso GhibertiによってPeruginoに借される。1) Via Pietra Piana (N. 7) (1464年に入手,1480年より使用)2) San Firenze聖堂付近(1470年以降)-77-大聖堂裏のBischeri邸(現在のPalazzoGuadagni), (1443年)→1480年にVerrocchioの所有になり,次いでLorenzodi Crediの所有になる。Via Larga(父より相続),一時SantoSpirito付近にDonatelloと共同の工房を持つ。Via Sant'Edigio(生家)→後にViaGuelfaのSanBarnaba聖堂付近に移る。部現存する)(以上)39) AA. VV. Fireze e la Toscana

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