鹿島美術研究 年報第3号
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文入り銅版画)一~第5場面のカンテラや松23.5cm-—竪琴をひ〈老王の原図と思われる。④<9帝王図集>フィリップ・ガル(1537■1612)刊各16.2X9 cm-(1)トロ9.1cm_洋風画の剣を持つ老王に関連。15.9cm_フェリッペ3世は1578年生,1621年没,スペイン王にしてプラB.<西洋風俗図屏風>……筑前福岡藩黒田家に伝来し,現在福岡美術館所蔵。コラールトやして保存されている。紙本着色各122,6X5 /cm ④<福者イグナチウス・ロヨラ伝>1610年コルネイユ・ガル(1575■1650),アドリアン・コラールト(1560■1618)彫版各25.6X36cm(扉絵と15枚の銘明を持つ少年像ャのヘクトル王,(2)アレクサンダー大王,(3)ユリウス・カエサル,(5)ダヴイデ王,(7)シャルルマーニュ大帝以上少くも5図が源泉となりうる。④<シャルルマーニュ大帝像>ジェローム・ウィリックス(1553■1620)刊13.9X ④くフェリッペ3世の肖像>アントワーヌ・ウィリックス(1550■1624)刊21.5X バン大公。この版画は1598年の即位時の肖像画を版刻したもの。槍を持つい王の顔のモデルになったと思われる。④<竪琴をひくダヴィデ王と奏楽の天使>ヤン・サドレル(1550■1600)刊36.4X この他の原図として,すでに坂本満氏の指摘されたストラダーノパッス刊のくローマ皇帝図集>などがある。いずれもこのく十二帝王図>は,原図を単純に模写するのではなく,必ずアレンジを豊富に加え,換骨奪胎を図っている点,まことに見事な技量といえる。各王侯のアットリビューションについては,まだ慎重な検討が必要であろう。ただし制作年代は<ロヨラ伝>の1610年(慶長15年)以降という上限線が推定できた。他作品との関係も加味してこれから研究を進めたい。要文化財,六曲一双,紙本着色,各97X270cm。三扇づつの四季図の形式をとり,聖と俗を対比させた教化的プログラムを感じさせる代表例。④<孤独なる生活の勝利>サドレル兄弟刊,M・ド・ヴォス原画1598年25 枚組各16.7 X 20. 5cm-MOA本,永青文庫本の奏楽図の源泉となった,隠者生活を賛美する主旨の版画集。その「愛の神殿」Templed'Amourを共有する黒田家本も予想通りこの隠者集からモチーフを得ていた事になる。特に第1図のベアトゥスの洞窟,第3図のアンティオクスの巡礼図,第9図の岩を運ぶ-111_

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