(1) 日本における中国古代版画明・清時代の絵入本の調査申請者:柏市日中友好協会参与杉村英治招致研究者:中華人民共和国阜陽師範学院芸術系副教授周招致目的.. 周蕪氏は古代版画の研究で知られた,鄭振鐸,博惜華両氏の後を受け,伝統版画の研究と収集に務め,1983年中国版画研究会を創立,「古版画通信」を発行,研究者相互の交流に当っている。昭和54年(1979)東京大学附属図書館へ,日本の版画研究者と日本国内に残る中国版画資料についての照会があり,以来日中文化交流を重ねて来た。今般日本国内での(中国では既に失われてしまった)明・清期版画資料の調査研究のため来日。調査報この調査の成果は,中国において,「日本所蔵中国古代版画選集」として刊行が予定されている。中国の絵入り版本は,明の万暦(1573■1620)から清の順治(1644■1661)年間のものがすぐれ,この種版本の黄金時代といわれてきた。日本にはこの期版本が,内閣文庫をはじめ,宮内庁書陵部,蒻経閣文庫,静嘉堂文庫,大学関係では,東京大学,京都大学,大谷大学,天理大学,個人では京都の文華堂などで,中国では失われたな文献を収蔵している。以下訪門先順に調査状況を述べる。2日中国大使館,鹿島美術財団へ来日の挨拶。国立国会図書館墨宛22巻20冊万暦32年(1604)刊安徽省の製墨家程大約撰の墨型版画。彩色本は,他に類例を見ない。彩色のある図は,巻2以下に15葉を掲載。他に,隋史遺文12巻12冊,崇禎6年(1633)刊皇明諸司公案伝6巻6冊を見る。3日尊経閣文庫加賀前田家蒐集の由緒ある文庫。2.「美術に関する国際交流の援助」(力外国人研究者招致4月1日中国民航機にて来日,千葉県日中友好協会へ挨拶。蕪-198-
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