リア国立ローマ中央修復研究所のパオロ,モーラ夫妻等を中心とする,優れた教授陣の下で,修復の論理,原則,温,湿度,環境,バクテリア,微,等の問題から保存科学的な物理,化学に至るまで学んだ。ICCROMのコースは既にかなりの経験を積んだ者を対象としたもので,カリキュラムに2ヵ月間の実地研修を含む。フォロロマーノ内サンタマリアアンティカ教会壁画の調査及び保存処置。カエタニ城(ローマ近郊)内部壁画と,1700年代ナポレオン軍囚人の壁に残した絵や文字(写真①)等の保存処置がそれで。後者では城内の宿泊施設を利用した1ヶ月にわたる作業中,参加研究者の相互理解を深めるのみならず,各国の現状問題等を,その解決策をもあわせて検討することができた。写真①セレモネータ(ローマ郊外)カエタニ城内18C末ナポレオン軍囚人の落書き消し炭状の物使用-213-
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