鹿島美術研究 年報第4号
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b)使用する文字,記号に関しては,ASCIIの00から7Fまでの1バイト文字に限る。a)データは他の研究者に対しては,データベース用のデリミターを含むMS-DOS標ルコンピューターを用いているが,それに加えて,作品に関する書簡中の発言すべての中から特定の言葉を任意に検索するなど,カード式では不可能な利用もできることを目指している。更に,出来上った索引は,印刷した文字として利用する以上に,コンピューターで読み取るデータとして,より有効に使用されると思われる。そのようなことを考えれば,データの整理や登録に際しても,コンピューターの特性を考慮に入れた上,コンピューター処理にふさわしい形を検討しなければならない。初年度においては,一般的なコンピューター処理の習熟も含め,本研究におけるコンピューター使用の形を検討することにかなりの時間が費やされた。コンピューターによるデータの検索に関しては,既に既存の優れたソフトウェアが多数存在するが,データをできる限り多くの研究者それも多くは海外の研究者と共有することを考えれば,データ記録の形は,可能な限り,ハードウェアやソフトウェアの違いに左右されないものが望ましい。その結果,次のような基本的方針がたてられた。準テキスト形式で提供する。従って,データには,日本語を含ませない。また,フランス語におけるアクサンは省略する。アクサンを表示することは可能であるが,アクサンのついた文字の存在によって,検索に大きな支障が生じること,ASCIIの範囲から出ることによって,国際的通用性を失うことから,それを断念した。言語の研究とは異なり,アクサンの省略については,それほど大きなデメリットはないと考えられる。4)基本的モデルの構築以上のような基礎的準備の上に立って,今後本格的なデータ入力をしてゆ〈ためのモデルが構築された。具体的には,試行錯誤を繰り返しつつ,それぞれの該当箇所をデータとして記録してゆく際の項目の立て方が,様々に検討された。現在,以下のような項目に従い,データの本格的な入力が開始されている。なお,オリジナル・データ,すなわちゴッホの書簡原文を除いては,英語が採用されているが,これも,上記3)a)の方針にふさわしいからである。-94 -

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