鹿島美術研究 年報第4号
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(18) ピサネルロとその周辺の画家に関する研究研究者:武蔵野美術大学講師小佐野重利調査研究の目的:究再考(l)」(『美術史論叢』2,1985pp39-7 4)でマンドヴァ公爵宮「ピサネルロの間」の壁画制作におけるピサネルロの共作者存在説を提唱するまで,この画家を研究するで彼を取り巻いていた助手,弟子,共作者ひいては追随者を考慮に入れた研究はなかった。しかし,今後ピサネルロ研究を推進させる上で,こうした周辺の画家の存在を無視しては剖目すべき成果は望めないと判断する。そこで今回は特にピサネルロの修業時代の解明及び彼の若描き作の同定の鍵を握るジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ,ミケリーノ・ダ・ベゾッツオ及びステーファノ・ダ・ウェローナに関する最新の研究成果を踏まえ,ヴェローナの4教会,サン・フェルモ・マッジョーレ教会,サン・ジョヴァンニ・イン・ヴァルレ教会,サン・タナスタジア教会,サンタ・マリーア・デルラ・スカラ修道院教会に残るピサネルロ,ステーファノ・ダ・ヴェローナ及びジョヴァンニ・バディーレの壁画を調査し写真撮影を行った。後述の「研究報告」の示唆する通り,こうした調査は単にピサネルロとその周辺の画家の問題に限らず,15世紀前半のヴェネト絵画に大きな修正を加えることになるという展望の下に,今後も継続される。サン・フェルモ教会ブレンツォーニ墓碑装飾(ピサネルロの壁画及びナンニ・ディ・バルトロの彫刻),ステーファノ・ダ・ヴェローナの壁画『合唱する天使たち』及びそのシノピアサン・フェルモ教会ブレンツォーニ墓碑装飾(自然光による撮影のやり直し)午前10時30分〜サン・ジョヴァンニ・イン・ヴルレ教会G. F. Hill (1905年)及びE.Arslam (1948年)を除くと筆者が拙論「ピサネルロ研10月8日午前9時〜午後5時10月9日午前8時半〜ヴェローナの壁画調査実施日程表150-

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