鹿島美術研究 年報第4号
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10月10日午前8時半〜artistici e storici del V eneto)の許可を得て,多年に亘り同文化監督局ヴェローナ支正面入口上のルネッタ内の壁画午前11時45分〜午後7時サンタ・マリア・デルラ・スカラ修道院教会サン・ジェロラモ礼拝堂のジョヴァンニ・バディーレの壁画サンタ・マリア・デルラ・スカラ修道院教会ジョヴァンニ・バディーレの壁画午後2時〜午後6時サン・タナスタジア教会ピサネルロの壁画「聖ゲオルギウスと姫君」研究報告:東京大学から海外渡航を許可され,1986年9月18日〜10月23日の間イタリアに滞在した。その期間中に研究課題(「ピサネルロとその周辺の画家に関する研究」)とその研究スケジュールに基づき,ヴェネト地方において現地調査及び文献資料の収集を行う機会を得た。今回の現地調査では,特にヴェローナ市の4教会(サン・フェルモ・マッジョーレ教会,サン・ジョヴァンニ・イン・ヴァルレ教会,サンタ・マリーア・デルラ・スカラ修道院教会,サン・タナスタジア教会)に現存する壁画の調査及び写真撮影に主眼を置いた。この調査はヴェネト地方美術・歴史文化監督局(Soprintendenzaper i Beui 部及びヴェローナ市立美術館のために働いている写真家ウンベルト・トンバ氏,移動式足場を所有する修復家ピエール・パオロ・クリスターニ氏に協力を仰いで,10月8日〜10日に実施した。その折,イタリアに政府留学生としてフィレンツェに学ぶ,東京大学美術史研究室大学院生,遠山公一君が調査を手伝ってくれたことをここに付記する。一方,1985年来フェラーラ市のパラッツオ・デル・パラディーゾ(天国宮)及びカーザ・ペンダリアから,騎士道文学に取材する14世紀前半の壁画やシノピアが明みにもたされている。マントヴァ公爵宮「ピサネルロの間」の壁画は同テーマを取り扱っているので,この「ピサネルロの間」の壁画に関する研究を行っている報告者としては(参照,拙論「ピサネルロ研究再考(l)」,『美術史論叢』2号,pp.39■74)そうしたフェラ-151-

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