鹿島美術研究 年報第4号
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dBASE II。第2水準漢字の範囲では,正字・異体字等を区別すると字母の不足によりデータ処理庵京華集」の一部を入力した。入カデータの概要は下記の通り。使用ソフトウェアは史料ID詩文集名・五山文学全集・新集の巻,頁,頁中の位置詩題主題キー典拠キー特徴的な詩句・【テキストデータ】賛.題詩・序などのテキスト本文については,一部について語注を含めた詳細な読解を行い,文字の処理方法について検討を行った。その結果,原文についてJIS第1.上問題が生じるが,通行の字体に置き換えれば支障がないとの見通しを得た。テキストの処理は,非定型的なデータが多く既存のDBMSを利用することは得策でない。むしろ多機能のエディタとフィルタの組合せによる「道具」を作成することにより,テキスト形式のままでかなりの程度の検索・処理が可能であることを確認した。したがって当面,データ構造はあらかじめ定義せず,テキスト形式のままとりこんでおくのが有効と考えられる。使用エディタはMIFESである。【絵画モチーフの記述形式】画面の記述形式については問題点が多い。モチーフの記述形式は様々に考えられようが,いずれにしても現状で処理可能なデータとするためには,何等かのラベリングが必要となる。方向としては,自然言語と記号による抽象化の二方向が考えられよう。また,モチーフ間の関係については,リストとして記述する方法がもっとも現実的と考えられるが,モチーフ相互のネットワーク状の構造や特定のモチーフ間の結び付きの視覚的な強度等をも含めて記述しようとするとリストは非常に複雑なものとなる。しかもそれらが一意に定まるものでないため,データ構造はゆるやかな(事後結合可能な)ものにしておく必要がある。本年度の検討の範囲では結論を得るに至らず,次年度継続検討課題とした。-160-

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