鹿島美術研究 年報第4号
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-Neuberger Museum, State University of NY at Purchase, NY(本美術館は,リ-Albright-Knox Art Gallery, Buffalo, NY -Hirshhorn Museum and Sculpture Garden, Washington, D. C. (本美術館は,-National Museum of American Art, Washington, D. C. -Corcoran Art Gallery, Washington, D. C. -Museum of Fine Arts, Boston -Carnegie Institute, Pittsburgh 2.資料調査-Museum of Modern Art, NY damで開かれた`BewogenBeweging”展における第2世代キネテック・アーティスッキーによる構成主義,及びキネティック・アートのコレクションを所蔵している。)Hirshhorn氏が所蔵していたまとまった数のリッキー作品を所蔵し,特に1986年に追加寄贈された作品群をも見ることができた。)資料調査は第一次資料調査及び文献調査である。下記の他,1.で列記した各美術館では,作品ファイル,作家ファイルの検分も行った。本美術館はリッキーの代表作品,`TwoLines, Temporal I" (1964年)を所蔵しているが,該当作品は現在収蔵庫に収納されており,検分することができなかった。しかしながら,前館長AlfredBarrの書簡,リッキーによるステートメント,メインテナンスに関するメモ等を含む作品ファイルを参照することができた。又,美術館附属の図書館は,現代美術に関する資料保有では全米第一であり,本研究に有用な文献調査を集中して行った。更に本図書館は,リッキーの構成主義資料を保管している。本資料は,リッキーが1961年から1967年にかけて執筆した「構成主義」のためにリッキーが収集したもので,白黒写真,展覧会カタログの他に,欧米各地の作家との書簡,手書き原稿,執筆メモ及び調査ノートから構成されており,それ自体で貴重な資料であるといえよう。しかしながら,この資料は,研究の目的の一つで,リッキーと他のキネティック・アーティストの比較において重要な意味を持つものである。すなわち,リッキーがその著作で扱った構成主義は,単に20年代から30年代にかけてロシア,ドイツ,オランダ等で起った特定の流派・イズムを指すのではなく,より広く,戦後の構成主義的な(あるいは,リッキー自身がそれと判断した)作品群を総括する語である。しかも,「構成主義」執筆の直接の動機となったのは,1961年Amster..... .... -192-

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