(1) 近代百年中国絵画・画家資料の収集と研究研究者:東京国立文化財研究所写真資料研究室長鶴田武良調査研究の目的:上派を生み,ついで西洋画を取入れて嶺南派,中西画を生み,更に社会主義リアリズムヘと接近していった。その過程は未だ明らかにされていないが,その原因は画人資料をはじめ,基礎的な文献・資料が全くといっていいほどないためである。この研究は豊富な資料の存在が予想されながら,これまで調査の機会を得ることができなかった北京・中央美術学院図書館の調査によって,十数年前から継続している近百年中国画人資料の収集と民国期の美術教育資料,展覧会資料,美術団体資料,西洋画受容資料などの収集を一応終了し,画人辞典の編纂に備え,併せて民国期絵画の諸問題を解明しようとするものである。研究報研究の主目的はこれまで京都大学人文科学研究所,東洋文庫,東京大学東洋文化研究所,カリフォルニア大学バークレー校東亜図書館,スタンフォード大学フーバー研究所,ハーバード大学ハーバード燕京図書館,コロンビア大学図書館,中国芸術研究院美術研究所,北京図書館で行ってきた民国期の画人資料を中心にした美術教育,絵画展覧会,美術団体等,民国期美術の動向に関する資料収集を,豊富な資料の存在が予想されながら,これまで調査の機会を得ることができなかった北京・中央美術学院附属図書館で行い,過去十余年にわたって継続してきた近百年中国画人資料の収集をひと先づ終了し,未採録資料から画人カードを作成し,近百年中国画人辞典の編纂に備えることであった。中央美術学院での調査を当初2ヶ月と予定していたが,せざるを得なかった。短期間ではあったが,これまで披閲することを得なかった重要な資料を得ることができた。例えば次のような資料である。北京大学絵学雑誌芸風月刊京華美術学院年刊1840年ー1949年の近代百年に中国絵画は大きな変貌を遂げた。まず近代画派である海1.美術に関する調査研究の助成によって2週間に短縮-61 -
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