B.色はRGB(三原色)の点の集合で表わされるvヽ゜を変えてやれば,自由に位置変更を行なうことが出来るのである。画像処理コンピュータの画面の一画素はさらにR(赤)G (緑)B (青)の三色素から成っており,さらに現在我々が用いている機種では,各色素が256段階の濃淡諧調を持ち得るので,それらの組合せにより,2563= 16'777'216色の色合いが表示可能である。この程度でもかなり微妙な色合いを表わせるが,諧調をもっと細かくすればそれだけ繊細な色調を表示できることになる。Aの画素の位置情報と同じく,各RGBの諧調もコンピュータで捉えられており,その数値を変えることにより,色を変化させることが出来る。[画像処理の機能例]画像処理コンピュータの画面表示の原理は以上の二点であるが,この二点からだけでも,かなり複雑な操作が可能となる。以下,我々がこれまでに試みた実験例から,美術画像分析の研究に利用できそうな画像処理機能を報告しておきた1.形状の照合[目的]比較する二つの形を「重ね合わせ」,その重なり具合いを観察することに[方法]①基準形を画面に入力する。(画像•入力はカメラを用いた)よって,その差異を調べる。②比較形を画面に入力する。両形とも入力前に「二値化」を施しておくことも可能。二値化とは,任意の濃度値を境とし,それよりも濃い部分を黒に,薄い部分を白にすることで,明確な画像を得る場合に利用する。③比較形の縦横を均等に拡大または縮小し,基準形と大きさを合わせる。④基準形を赤色にする。⑤比較形を緑色にする。⑥緑の比較形を移動させ,赤の基準形に重ねる。⑦両形の重なる部分は赤と緑が重なって黄色となり,ずれる部分はそれぞれの色として残る。*この画像を観察し,両形の差異を判断する。-205 -
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