(2) プルゴーニュ地方・ペルシー・レ・フォルジュのロマネスク彫刻研究者:ウェルズリーカレッジインストラクター常田益代研究報告:ュとクリュニー注(I)を中心になされた調査研究の内容は主に次の三点である。1.建築ーーペルシーの教会内部(身廊・交叉部・北翼部・北小祭室)と12世紀初頭の玄関間(ポーチ)(一階,階上間(tribune),屋根襄,塔)の測量,写真撮影,立面,石組法,建築装飾の観察。の判別。撮影と発掘場所番号による分類。これらの三点は,たがいに直接には関連がないように見えるが,博士論文「ペルシー研究」の中で,(1)は第二章の建築,(2)と(3)は第三章のペルシーの様式とプルゴーニュ地方のロマネスク彫刻の本論をなすための基礎的調査である。ここでは各調査内容から得られた新知見の概略を記してみたいと思う。1.建築(図1平面図参照)現在見るペルシーの建築は11世紀に建設された教会と12世紀初頭その西正面に増設されたロマネスクの玄関間と15世紀末に改築された後期ゴシック様式の教会東端・側祭室から成っている。11世紀の教会で現存する部分は身廊と南側廊,北翼廊とその小祭室の一部,交叉部とその上の鐘塔で,北側廊,南翼廊は残らない(図1)。身廊と側廊はアーチ列により7つの梁間(bay)に区切られ,交叉部(crossing)から数えて6つの梁2.彫刻ーーポーチ扉口(portal)の構成,構築法と彫刻の観察,測量,石の分析と「手」3. クリュニー現存部の建築の彫刻の観察,およびコナンによって発掘された断片の昭和62年7月5日から8月7日にかけてプルゴーニュ地方ペルシー・レ・フォルジ-229-図1ベルシー・レ・フォルジュ乎面図
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