跡をのこした仙厘義梵(1750-1837)の生涯と芸術について,最新の研究成果にふまえ,今後の仙厘研究の基礎的な文献として活用されるべく出版するもの。この出版により,史料と作品の両面から仙厘の実像を実証的に把握し,伝説,説話の類と史料的裏付けの可能な事項とを明確に区別することが目的のひとつである。さらにこれまでの評伝や,禅の立場からの仙厘論ではなく,美術史上の仙厘の意義を考察する上で不可欠な基礎的資料を可能な限り集成し,提供するものである。またこの出版は,昭和62年度の鹿島美術財団「美術に関する調査研究の助成」による「仙厘壮年期における基準作の確定」の調査,研究結果をふまえた成果のひとつであることは言うまでもない。-263
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