3.近世初期小袖の編年史的研究4.会津における仏像彫刻の地域性についてけば体系的な調査研究には程遠い。したがって,写真という視点からマネに関しての基礎資料再調査と当時の写真をマネの絵画との体系的な比較分析を行うことは極めて価値が高い。マネと写真との関係を可能な限り具体的かつ実証的に明らかにすること。これが本研究の目的であり「近代的」と形容されるマネの視像形成の一側面に新たな光を投げかけるものと確信する。一国内における現在作品の調査を通して一研究者:京都大学大学院博士課程佐藤理恵研究目的:小袖は,中世まで装束の下着に過ぎなかったが,近世以降,表着として用いられるようになり,庶民は勿論のこと,公家・武家の上層階級においても,特別な儀式を除いて常に小袖を着用するのが通例となった。近世服飾史は,小袖を中心に展開するのである。従って,日本服飾史の上で,小袖の変遷は極めて重要であり,特に,その表着としての歴史が開始する近世初期における詳しい変遷を明らかにすることは,必要不可欠の課題である。ところが,従来の研究では,近世初期小袖の詳細な編年的整理が充分に行なわれておらず,小袖が表着として定着する服飾史的な事情も不明のままである。以上のことから,近世初期小袖の厳密な編年を行うことは,近世服飾史の基礎を築く一助となると,考えられる。研究者:福島県立博物館学芸員若林研究目的:会津は,東北における仏像彫刻の宝庫といわれているように,古代から中世を通して,平均的に数多くの遺品が保存されており,しかも他地域と異なる独自の特性をそなえている。さらに近年の調査によって,銘記から造立年代の知られるもの,史資料の捜索等によって,ほぼ造立年代を推定し得るものが豊富となった。これらの中には,この地方の特徴的な作風をもったものもあり,中央の作例と比較すると大きな懸隔が認められる。したがって,銘記などから造立年代の確認がでる基準的遺品を中心に据繁-26-
元のページ ../index.html#42