図3追善供養を約束する姜略(4)天竺阿輸閤国に住む不善悪業の婆羅門が地獄に堕ち,獄卒が鈍たた〈音を聞いて妻に(6)猟師である安義が全身に(7)獄卒に両手をつかまれ,(5)鷹狩を好んだ姜略が頭痛に苦しんで死に,地獄で頭のない烏に囲まれ,頭を返せとと教えられていた念仏を唱えたところ,鍍が割れて涼池となり,罪人が皆往生する。これによって婆羅門は許されて蘇生する。図は合掌する全裸の男とその前で鈍が割れ,清涼の池となって童子が化生する場面と,閣羅王の前で合掌して片膝をつく男とその後ろで片膝をつき,王に何事か言う獄卒を描く。[三宝感応要略録』ほかに収録。責められるが,追善供養を約束することで許され,蘇生する話。図は閻羅王の前,三頭の獄卒に囲まれ,後手に縛られて坐す男と,そのまわり首のない鳥が並ぶ様に描かれる。『法苑珠林」ほかに収録。瘤のできる病にかかって死ぬが,親族が勧められたとおり普賢菩蔽像を造って供養すると,その普賢によって安義は救われ,蘇生する。図は身体中に嘴のような癒をつけた男が両手を獄卒に引かれ,その頭上に普賢菩薩が描かれる。『三宝感応要略録」に収録。闇羅王の前に引き出される女の図があり,「清河国邪見女」と題される。出典を明らかにし得ず,内容は不明であるが,他の説話図との関連からみて,これも蘇生謡の1つと考えてよかろう。図4猟師の安義,普賢に助けられる-206-
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