9日奈良市内の美術館,社寺見学以上に述べたように,ケッスラー教授の来日は,日本の,特に若い研究者たちにとって,きわめて意義深いものであった。ケッスラー教授の日本での活動の成果は,大きく次の3点に分けられよう。ひとつは,主に西洋初期中世美術について,最新の研究成果をもたらし,この分野の日本の研究者たちと意見の交換を行ったことである。そして第二は,専門分野・領域を越えた多くの研究者たちに,研究の方法論や動向,大学院段階の教育のあり方などの多くの点で,幅広い示唆を与えたことである。そして最後に,ケッスラー教授自身,今後の恒常的な研究成果の交換や研究者の交流の方法についていくつかの具体的な提言を行ったように,国際的な研究交流を質量ともに一層推進していく上で重要な契機のひとつとなったことである。日程6月6日大阪着神戸泊7日神戸市内の美術館見学8日大阪大学国際交流会館にて歓迎交流集会10日京都国立博物館見学11日名古屋大学にて講演会12日京都市立社会教育センターにてセミナー13日金沢市内の美術館見学14日東京芸術大学で講演会15日東京都内の美術館見学16日鹿島美術財団,日本学術振興会訪問17日立教大学にて講演会18日東京都内の美術館見学19日同上20日成田より離日211-
元のページ ../index.html#238