鹿島美術研究 年報第6号
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C.第165■168窟持ち送り天井洞たポーズ。施無畏印は,仏像の足元に跳く一対の供養者に向けられている。繊細な筆遣いで頭光背,身光背が焔に包まれている様子が画かれている。特に身光背の鋭角波形の烙の表現はすばらしい。全く新しい様式である。ベゼクリクで多出した所謂「誓願図」の最も初期の様式を伝えるものであろうか。この他にキジル招来の壁画には,多数の烙肩仏及び焔の表現をみることが出来た。21.下記の数例も,それぞれに興味深い焔の表現法が用いられている。すべて出土地はキジルである。a.堕互厘Inv. No. 8840 gallery No.417(図6)b.第207窟画家洞galleryNo. 415(図6)lll8891(図7)d.第219窟阿随世洞lll8881a (図7)22.第224窟仏伝部分III8862(図8) 仏陀の右屑から鋭角な三角形を成した焔がめらめらと立ち登って図7四d.ギジル第219窟図6(2l)b.第207窟画家洞図8(22)ギジル第224窟-221-

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