鹿島美術研究 年報第6号
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いる。キジル独特の先に細〈幾筋にもわかれて,揺れ動く烙を細かい筆致で画〈代表的な例と云えよう。23.第13窟仏立像IU8868光背が外円と内円にわかれ,それぞれの中に多くの坐仏が配されている。珍しいこの光背は焔に包まれ,坐仏は焔の間に,本尊の方向に向っている姿で描かれている。焔はキリシの例に似た緑色で,細長いめらめらした形で燃えあがっている。珍しい表現である。24.焔光背III55 Sr. N 049 金彩(図9)やや大型の焔光背。うねうね波の様に揺れ動く烙が,像のあった中心部分を残して,光背全体を被っていたと思われる。彩色は光背に向って右側に多〈残っている。中心部分が頭の形に黒ずんでいることから,光背は身光背ではなく,頭光背であったと考えられる。この種の光背は,ベルリンに於いても,又他の博物館でもみることは出来なかった。25.第76窟孔雀洞坐仏MIKlll8150 第76窟孔雀洞坐仏MIKIIl7408 通肩・禅定印,結伽鉄践の仏像で,光背は烙に包まれている。小品,烙は平行に表わされた波状。様式化が目立つ。26.第77窟像洞坐仏の部分MIK11[8345 図9⑳ 焔光背-222-図9(28} 28 a • 28 b • 28 C

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