私は慶應義塾大学において，美術史の勉強をし，その後文化財保護についての研究を深める目的で，現在は東京芸術大学美術学部・保存科学研究所において，博物館・美術館内の環境管理の問題，特に害虫防除および化学薬剤の使用法について勉強しています。カナダ国立修復研究所(CanadianConservation Instisiute)における数々の研究報告は大変すぐれたものであります。木材中の害虫処理について研究の進んでいるカナダにおいて，同研究所の推進する実験方法を学び，日本の木彫仏の害虫処理および建造物の害虫処理に使用する薬剤の浸透性，残留性および美術材料への影響等について研究することを目的としています。また今後両国間において，文化財保護の為に使用される薬剤の効果および問題点等について共同に研究，検討することを希望しています。（カナダの上記研究所と，既に予備交渉を致し，研究員受け入れの承諾を得ていますが，当研究所は海外からの研究員に対して費用を援助する制度はありません）日程：平成元年7月1日〜8月31日オタワ，ワシントン-242-
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