鹿島美術研究 年報第6号
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(1) 日中佛像彫刻の比較研究2。昭和62年度「美術に関する国際交流の援助」(力外国人研究者招致申請者:京都大学文学部教授清水招致研究者:中国中央美術学院講師当招致研究者は以下のように研究活動を行った。.京都大学文学部美学美術史研究室にて清水善三教授の日本仏教彫刻についての講義を聴講し,日本仏教彫刻の研究を進めること。二.京都大学附属図書館を始め,多数の仏教彫刻に関する図書館や博物館において資料を調べること。二.京都・奈良・滋賀を中心にして諸仏教彫刻に関する寺院を訪れること。四.中日仏教彫刻研究家の大先輩をお訪ねし,仏教彫刻についての質問や資料などを聴取すること。主に長広敏雄名誉教授に雲岡石窟や龍門石窟や四川省諸仏教遺跡などについて指導していただく。五.友人に依託し中国の最近の仏教美術についての情報を収集すること。六.研究するテーマによって,あらましをまとめること。中日仏教彫刻の比較(OUTLINE).中日仏教彫刻の比較を研究するについても有力な実物遺跡と言える。それを通じてシルクロードの研究を精神と造形両面から究明することは期待する成果の可能性が大き〈望ましいものになる。B.仏教彫刻の比較は一般に仏教東漸史と違う。それは決まった範囲を通じてさらに具体的な手がかりを把握し,即ち形や様式などが自然風土と,文化と,芸術思潮と,造型技法などと幅広い分野のかかわりを究明することと,その移り変りをも究明するのが仏教彫刻の比較研究の主な進め方である。中日仏教彫刻の研究を進める方法に二つの観点から調査するしかないと言っても,仏教彫刻の大きな節目として,それを究明するなら,仏教彫刻のすべての理解と解読は決してむずかA.人類文明史の流れとも言えるシルクロードの仏教彫刻は,芸術文化の分野の最部恵伯-250-

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