鹿島美術研究 年報第6号
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第3日の9月21日困はエクスカーションとして,文化財の保存と修復に関係する研C-2:奈良の歴史コース(奈良)5.展示会特徴をもっている。文化財の保存科学者は,あらゆる材質に対応できる広い知識が要求されるので,この方式は適していると実感した。会議の使用語は英語と開催国の国語ということで,イヤホーンによる日英,英日の同時通訳を用意した。しかし,両国語が使えない中国の発表者が中国語で講演すると主張したため,事務局は急遠在日中国人留学生を通訳として用意し,中日英という手間のかかるやりかたで切りぬけざるを得なかった。今後ますますこのような例は増えると思われるので,対策を考える必要があろう。4.エクスカーション究所,博物館,社寺の見学を下記の5コースに分れて行なった。A :修理所コース(京都市内)国宝修理所・京都国立博物館・三十三間堂・竜安寺・金閣寺B :織物コース(京都市内)川島テキスタイル博物館・南禅寺•平安神宮・伝統産業館C-1:奈良の歴史コース(奈良)平城宮資料館・奈良国立文化財研究所実験室・依水園・正倉院・東大寺帥元興寺文化財研究所・宝山寺・法隆寺D :新設博物館コース(神戸・千里)竹中大下道具館・白鹿酒造博物館・国立民族博物館E :伝統工芸コース(滋賀)成子製紙・信楽焼・紺久(藍染)・延暦寺上記5コースのために11台のバスをチャーターした。この見学会に対する国内外の参加者の関心は非常に高く,500名を越す参加があり,早朝の会館前広場の出発風景は壮観であった。Aコースは作業場の性格上人数に制限があったため外国人参加者に限ったが,希望者は定員の2倍にものぼる人気があった。曇天ではあったが天候に恵まれ,全コース無事に終了した。今回の会議は口頭発表に1会場(ルームA),ポスター発表に2会場(ルームJ'K)が用意されたが,別に各種業者による展示会のための会場も用意された(ルームE)。-272-

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