⑯ プッサンとフランス王立美術アカデミーの成立に関する研究—Studies on Poussin and the Beginings of the French Royal Academy of Art -研究者:同志社大学文学部非常勤講師清瀬みさを研究報1.論文「フランス近代絵画の成立とフ゜ッサン同志社大学文学部研究紀要『文化学年報』第39号(平成2年3月10日発行)P. 236-256 「プッサンのく階段の聖母子〉_図像解釈のひとつの試み」第40回美学会全国大学研究発表平成元年10月21日於早稲田大学本部キャンパスこの口頭発表は、平成2年度の美学会誌『美學』第40巻に掲載予定です。とりあえず、『美學』159号(第40巻第3号)(平成元年12月31日発行)所載の口頭発表要旨を添付させていただきます。上記2点の研究成果は、助成研究の課題に掲げた、ルネサンス以降イタリアやフランドルからの輸入芸術に依存していたフランスが、どのようにして独自の、しかも近代ヨーロッパで指導的な役割を果す美術様式を確立したかという問題にふたつのアプローチから考察を試みたものです。ひとつめの「フランス近代絵面の成立とプッサン」は、フランスが独自の芸術を育成するという大きな目的をもって創設した美術アカデミーと、それが理想とした古典主義美術理念、そしてその範例となる画家プッサンの関係を人文主義絵画の流れの中で論じました。ふたつめの「プッサンのく階段の聖母子〉」は、フランス古典主義絵画の原点となるプッサンの様式確立期の油彩画く階段の聖母子〉を取り上げ、図像の解釈を試みつつその背後にある絵画理念を探ろうとしたものです。以下が「フランス近代絵画の成立とプッサン」の要旨です。「プッサンのく階段の聖母子〉」については添付の大会発表要旨のとおりです。「フランス近代絵画の成立とプッサン一ー]\文主義絵画の伝統をめぐって」〔同志社大学文学部研究紀要『文化学年報』第39号(平成2年3月10日)所載〕の要旨:本稿の目的は、生涯の大半をイタリアで過し、ラファエルロを信奉していた画家二コラ・プッサンがどのようにしてフランス近代絵画の父となったかという問題について考察を試みることである。そこでプッサンがイタリアから何を学び、そこからどの2.口頭発表人文主義絵画の伝統をめぐって」-132-
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