鹿島美術研究 年報第7号
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アカデミーは、古典古代やラファエルロそしてプッサンにおいて達成された理想美に至る唯一絶対の方法として幾何学のように純粋で知的な論証と、原理の分折の有効性を主張する。そして美術家が倣うべき絶対的な価値規準を提示し、教条主義的にそれを遵守し統制しようと試みた。人間理性の働きによって本来自由であるべき芸術をも統制しようとした合理主義的精神は、フランスの民族的個性であり、絶対主義国家にこそふさわしいものであったといえる。135-

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