鹿島美術研究 年報第7号
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ASCIIファイルでの交換は可能であるが,なおデータの整合性の保持に問題を残す。Motonobu”)を埋める方法などについては,直ちに有効な解決策は見いだし難い。こBuddhist painting)などを検索用のキーとして付加するより方法はなかろう。Arthur M. Sackler Museum, Harvard University Asian Art Archives, University of Michigan Asian Art Museum of San Francisco Asian House Gallery, Asia Society Inc. Birmingham Museum of Art Museum of Fine Arts, Boston The Brooklyn Museum The Art Institute of Chicago 2)データの利用環境と互換性アメリカの美術館には,日本語の扱えるコンピュータはほとんどなく(メトロボリタン美術館ではPC9801が1台のみ),日本語データの利用環境は極めて限られている。英語のデータについても,基本的には,英語・日本語のシステム間の互換性はなく,3)データの加工と利用法ミュージアムワークのなかで如何に今回作成したデータが利用できるかについては,模索段階にあり,日米双方で一年程度の試用機関を置いて,双方でデータ加工を行ったのち,再度その結果を持寄って協議することとした。4)バイリンガル化の問題作品名などの標記法については,日米ともに標準化された方式はない。また,ローマナイズの方式や,作家についての認識の差(日本では「元信」か「伝元信」,アメリカでは“Motonobu","attributed to Motonobu", "style of Motonobu", "seal of れらは検索システム上も大きな問題となるが,とりあえずはやや大きな概念(仏画・【展望】上記以外にも問題点は数多い。これは単なる言語間の相違ではなく,「データの共有化」の基礎としての「共通の認識」の問題でもある。米国の研究者との共同作業のなかで,幾ばくかでもその基礎を形成できればと思う。なお,メトロポリタン美術館のパイロットシステムについては,本年度末に完成・公開を予定している。【表1】アンケート対象機関-254-

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