5.大阪四天王寺の阿弥陀三尊像(来迎形)の脇侍は片足をはね上げた異例の像であり,6.東京国立文化財研究所の井上一稔氏の研究発表による(昭和63年12月10日)。なお私は7.本像の法量は次のとおりである(単位センチ)。13.4(同)5.0 5.0 7.5 6.5 8.5 る。後述をするごとく,斗帳の墨書銘から文政九年の改変と思われる。また,平等院の雲中供養菩薩の中に片足を浮かせて動勢を表現したものはあるが,独尊像で踵をあげた例は知らない。なお,画像では高野山竜光院の「伝船中湧現観音像」の足もとが,またレリーフでは東大寺八角燈籠の音声菩薩(横笛)などが一見踵をあげているように見える。この講演を聞いていないが,論旨のあらましを久野健氏より伝え聞き,また,資料のプリントでこれを知った。十一面観音に関する経典は4種の訳があるが,そのいずれもが「自然揺動」について記述している。.耶舎堀多訳『仏説十一面観世音神呪経』(大正蔵廿151上)・阿地盟多訳『十一面観世音神呪経(陀羅尼集経巻四)』(大正蔵十八824下)・玄笑訳『十一面神呪心経』(大正蔵廿154上)・不空訳『十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経』(大正蔵廿141中)像高47.2(頂上仏面欠失の現状で)髪際高39.4 面長面幅面奥耳張腎張16.5 裾張14.0 足先開8.5 -267
元のページ ../index.html#295