鹿島美術研究 年報第8号
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り方(その中核となるのが工房問題である)に焦点をあてつつ,明らかにしようとするところにある。「スルバラン風」というものの成立と展開のメカニズムは,この視点から明確に説明できると考えている。(注2)日本では「異端審問」との訳が術語として確立しているが,その機能は,カトリックの一般民衆の日常生活の監視をも含む多領域にわたる。とりわけ,Dedieuらによる近年の審問所研究は,この制度の社会・文化的機能に新しい知見をもたらしている。-110-

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