鹿島美術研究 年報第8号
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Dulcis ducentie ornnes legurn mes Vie dies xviiなど多数の銘文が例としてあげられ3)コンスタンティヌス帝時代。このような,本を手にもつ人々の図像の発達は,どのような要因によるものなのであろうか。それは,キリスト教が,聖書に典拠する宗教であること,キリスト自身が,聖書中「先生」と呼ばれていること,古代世界全体において,宗教と哲学は,ほぼ同一視されていたことなどのほかに,初期キリスト教教会において,入門者は,洗礼を受けるまで,何年にもわたって教理を勉強しつづけたこと(そして,人々は受洗を先のばしにする傾向があったため,中には,生涯にわたって学習する人々も多くみうけられた),また,墓碑銘に,ひんばんにあらわれるように,律法(それは絵画においては,巻物あるいは,それをおさめた容器であらわされる)を守るということが重要視されたから,という理由が考えられる(事実,Dorninuslegern

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