鹿島美術研究 年報第8号
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物である美術館正面のファサードは,数世紀にわたる物改造が崇って,今,鑢割れ,倒れかかっている。暖房も2年前まで,冬は一50■10゜に下る当地で全くないに等しかった。今,暖房は入ったが,日本美術品には保存の面で暖房のない時以上の問題を提供してしまった。美術館の暖房に対して,市側が無勉強であったためである。こんな問題も含め,解決をしていかなくてはならない問題は限りない。引き続き,修復など含めて,日本からの援助が得られ,日本文化の浸透の少い当地に大きな理解が深まっていく絆が強くなり,相互の真の友情が深まる事を願ってやまない。文化の理解というものは,短期の表面的な笑顔や拍手によってなされるものではないと私は思う。筆者自身も,決してその立場は,いつも楽でないが,ひき続き努力したいと思う。-246-

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