(4) 国際会議出席出席者:東京芸術大学美術学部教授略称でCIHAと呼ばれる<国際美術史学会(ComiteInternational d'Histoire de ンで開かれた美術史の国際会議にさかのぼると言われる。今日の名称が定まったのはグラナダ(1973),ボローニャ(1979),ウィーン(1983),ワシントン(1986)ストラスブール(1989)と回を重ねてきた。そして,1992年にはベルリン,1996年にはアムステルダム,そして2000年にはロンドンというぐあいに,すでに今世紀一杯の開催が予定されている。また,これらの,凡そ4年毎に開かれる大会のほかに,より小規模の会議(colloque)が開かれることになっており,最近では,コペンハーゲン,ブリュッセル,リスボン,チューリヒ,ロンドン,ミュンヘンの各地で開かれたが,1990年にはイタリアのボローニャでそれが開かれ,1991年には,サンティアゴ・デ・コンポステラと東京での開催が予定されている。このたび,私か,ボローニャの会議に出席したのは,東京会議の準備と,委員会での協議のためである。この国際委員会は,各国の国内委員会(comitenational)の代表によって構成されており,現在では,31ヵ国が代表委員を送っている。日本の国際委員会について言えば,1964年に,吉川逸治氏が,わが国で初めての代表委員となって以来,摩涛意善郎歴任してきた。私は,代理委員(membresupplean)として正式委員の高階氏とともに最近の委員会に出席を続けてきたが,東京会議の開催が,最近では最大の課題となって今日にいたっている。東京会議では,<美術史における日本と欧州〉をテーマに9めての国際美術史学会であるだけに,各国の美術史学者たちの大きな期待が寄せられている。① 国際美術史学委員会ボローニャ会議I'art)〉は,美術史に関する唯一の国際組織であり,その起源は遠く,1873年にウィー1911年のことであり,第2次世界大戦後,ユネスコの肝入りで新発足したCIHAは,1961年にニューヨークで第20回の大会を開催し,爾来,ボン(1964),ブタベスト(1969),(1975-77),前川誠郎(1977-79),柳宗玄・高階秀爾(1979-)の各氏が代表委員を月18日から3日間の日程で研究発表と討議が行われることに決定したが,東洋では初辻茂報277-
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