鹿島美術研究 年報第8号
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⑫ ロダンとロッソ研究者:静岡県立美術館学芸員永草次郎研究目的:および未完の美についての誕生と展開を明らかとする。詳しく解明される。をさらに進める上でも意義深い。関係を通して具体的に記述される点で意義深い。申請者はこれまでロダンを調査してきたが,ロダンにおいては,断片的彫刻に対する愛好とモニュメンタリティーの追求という相矛盾する方向が見られる。一方,ロダンに影響を及ぼしたロッソにおいては造形性においてある種の統一性が見られる。こうした問題を端緒として,ぜひ本調査研究を進める必要があると思われた。⑬戦後のドイツ美術一抽象主義的系譜と表現主義的系譜研究者:大阪大学大学院文学研究科博士課程仲間裕子研究目的:ドイツ戦後美術の学術的,体系的研究がドイツにおいても未だ十分に行われているとは言いがたい。なかでもキーファーの芸術は主として表現主義的解釈で論じられ,キーファーの象徴主義的側面が軽視されている。しかし,この象徴性こそ,キーファーの本質を成すものである。私はドイツの象徴主義的系譜をフリードリヒまで遡ることによって,キーファーの特質を考察する。同時に,新表現主義の理解を深め,戦後ドイツ美術の体系的解釈を目指す。また,キーファーは通常ポスト・モダニズム芸術の一例として挙げられる。キーフ1. 目的2.その意義・価値3.構想理由(1) ロダンとロッソの影聾関係を詳細にまとめる。(1) ロダンとロッソの相互関係は今だに詳細に記述されておらず,この調査研究で(2) 特にロッソについては,まだ調査すべきことが多く残されており,ロッソ研究(3) 近代彫刻における「未完成」や「断片」の造形性に対する評価の形成が2人の(2) 2人の影響関係の細詳な調査から近代彫刻における重要な視座である印象主義46 -

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