7 ヶよ→ク」→当該の和歌などを書き込んでいる。例えば,桜に関する和歌が記されるところには桜の大樹が描かれ,伊勢物語の杜若の場面では杜若の群生する様を描いている。⑪扇面二幅紙本金地墨書仙台市博物館所蔵本来は扇面であったものを軸装にしたもの。本紙のスレの状況からも,扇子として実際に使用されたことがわかる。七言絶句の漢詩を主とした面と和歌を主とした面からなり,漢詩の面には伊勢物語からの和歌1首も記され,他の面には新古今集から3首,六華集から2首が引用され,古今集・拾遣集・後撰集・新勅撰集・源氏物語などから1首ずつ,出典未詳の和歌も含めて計13首の和歌が書き込まれる。⑫古歌一巻紙本墨書仙台市博物館所蔵新古今集から8首,拾玉集3首,千載集・拾遺愚草2首の他,後撰集・拾遺集・詞花集・続拾遺集・治承三十六人歌合・山家集・沙石集などから1首ずつの計25首の和歌が記される。桜の和歌に始まり,春の歌,夏のほととぎす,秋の月と時の流れに添って編集されている。今回の調査で判明した古歌や古典からの引用数は,重複を含めて190首,その典拠の内訳を見てみると,以下のようになる。古今集後撰集拾遺集後拾遺集金葉集詞花集以上130首が勅撰集からの引用である。そして古今集,拾遺集,新古今集の3集からの和歌の引用が,他を大きく引き離していることが目につく。さらに,和歌の作者別にみると以下のようになる。3首以上を採用している作者を挙げてみる。業平慈円式子内親王俊成おほ‘ろげながら政宗という人物の和歌に関する嗜好を知ることが出来そうである。絵画と和歌の関係については,特に前述の作品の中①〜⑤の作品は,静嘉堂文庫の19首22首5 4 6 (重複1)5 (重複1)-94-5首2首3首2首千載集9首新古今集新勅撰集2首新後撰集1首風雅集4首新千載集1首俊成女西行疋琢48首4 3
元のページ ../index.html#116