5)ゴシックの古典と訳さない方がよい。habitusとはいわば環境との相互関係であり,「あるところで生活する」「インハビットする」という意味を含む。このことを深く考えなければならない,といわれる。前川がかつて『ゴシック建築とスコラ学』の訳者付論「ゴシック建築論の森の中へ」で紹介したフィリップ・ブドンによるパノフスキーの「メンタル・ハビット批判」とは、また異なったメンタル・ハビット論である。最後に,今回の調査旅行によって「ゴシック建築の古典大聖堂はランスのノートルダムである」(『ゴシックということ』)とする前川の従来の主張を再確認したことを付しておく。-220
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