④ ボストン美術館所蔵仏教絵画の整理及び調査研究者:弘前大学人文学部助教授須藤弘敏ボストン美術館東洋部が鹿島美術財団の助成により実施している,同館所蔵日本美術資料の調査事業に参加協力するため,平成4年1月20日より2月29日までボストンに滞在した。報告者は,この事業の要である作品調書のデータベース化について特に協力を要請されたため,その点を主に報告する。調査本体の仏画調査については,同館のアン・モース女史から具体的な報告がある筈で,かつそちらの助成事業の報告との重複を避ける意味でも,上記調書のコンピュータライズ化について報告したい。報告者は,当初のこの「鹿島美術財団共同研究プロジェクト」仏画担当者である京都国立博物館の泉武夫氏とほぼ同一日程で,共同してボストン美術館東洋部学芸員補のアン・モース女史と3名で同館所蔵の日本仏教絵画の悉皆調査を行った。その内容については,前述のようにモース女史から報告されるべき性格のものなので,ここで詳細を述べることはしない。ただ,連日日中はこの調査及び手書き調書作成にほとんどの時間を費やした。報告者は,渡米に先立って平成3年12月に鹿島美術財団で,財団よりボストン美術館へ寄贈されるコンピューター及びソフトウェアのセッティングに立ち会った。現地での使用の利便を考えて,鹿島建設株)情報システム部の方々の協力を得て,完全に作動することを確認して梱包した。報告者は,そのため自らの責任として,美術館へ出向いた最初にこの機器の開梱とセッティングを行った。電圧の違いは変圧器で解消されたが,プリンターの用紙が日米で異なることは予想外であった。しかし,用紙ホッパーを手直しすることで,ほぼ問題はなかった。機器及びソフトウェアについてはすべてきちんと作動することを確認し,同館で使用している米国製WANG杜中型コンピューターより数段優れた性能であることを同館職員に認識していただいた。調査作業の開始に当たって,データベース化を念頭において調書の形式がわれわれ3名の協議で定められた。早速に調査にとりかかる一方で,報告者はデータベースのフォーマットを作成した。これは二三度の手直しを経て,仏画データベースの形でフ1 報告者の担当した作業284-
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