(2) 海外派遣① ポストン美術館所蔵日本美術品の調査・整理プロジェクトに関わるデータペース指導等協力報告者:弘前大学人文学部助教授須藤弘敏前回冬季1• 2月に続いて,標題に関わる二度目の渡米であったが,今回は専らポストン美術館東洋部に設置したコンピューターやソフトウェアの運用指導,及びシステム稼動後の問題点の協議に主目的があった。そして,その上で新たなシステムを再設計し,その入力運用についてボストン美術館東洋部職貝に十分な理解を得てもらうことも期していた。く報告>2月の段階で,報告者はまず調査が始まった仏教絵画のデータベースを構築し,データの半数を自ら入力し,その入力運用システムをたちあげて帰国した。その後,京都国立博物館の泉武夫氏が5月半ぱより再度仏教絵画の調査を続けられており,報告者のボストン到着までに所蔵全作品の調査をほぼ終えられていた。そこで,東洋部における本プロジェクト責任者であるアン・モース女史および泉氏と協議し,更に実際に泉氏の調書をデータベースに入力する作業を担当してきていたマサチューセッツ大学アマースト校大学院生の西村女史にも種々の問題を尋ね,これまでの問題点と今後の課題について徹底的に検討した。その結果,本データベースシステム自体には全く問題はないものの,美術館側がこれに期待する点と,現実に本機器およびソフトウェアが可能な点との間に相違が明らかになっていることがわかり,この点について短期的には,データベース化と英文のより詳しい調書のテキストファイル化という複線的対応で処理し,中期的には3年後のプロジェクト第1期終了時点での検討にゆだねることにした。というのは,一般に公的なデータベースの場合は,その構築運用上どうしても制限が存在する。また,データの入力や修正が容易な市販のソフトウェアを用いる限り,どうしても記録させるデータの量や記録方法に限界がある。加えて,本プロジェクトは英語使用国において日本製の日本語対応機器およびソフトウェアを用いて日本語英語双方で入力していく,-30 -
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