鹿島美術研究 年報第10号
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(4) 国際会議開催① 日本ドイツ美術館教育シンポジウムと行動(Symposiumand Actions on れ1回ずつ報告を行ったほか,すべてのテーマにおいてパネリストとして議論に参加Museumeducation, Japan-Germany) 報告者:沖縄芸術大学長山本正男1 会議の経過1-1 シンポジウムに先立ってシンポジウムに先立って,1992年5月3日から東京都世田谷区三軒茶屋で「大道芸術展」,7日にはブリヂストン美術館および東京国立博物館において小学生対象のくギャラリー・トーク>の試み,また同じ7日に,東京ドイツ文化会館においてシンポジウム報告者の一人であるベルリン芸術大学ディートハルト・ケルプス教授による講演「ドイツの美術教育一美術館教育を中心に一」を開催した。これらは何れも,シンポジウムを具体的な内容によってゆたかにするだけでなく,,日独双方の参加者の相互理解を図るためにも重要な意義を担ったものであった。「大道芸術展」には,ドイツ側参加者三人全員が揃って訪れたほか,ミュンヘンで子供たちの学外文化活動を組織しつつ理論家をはかる中心ともなっているツァハリアス氏が,一連の行事に加わり,にも参加した。ドイツにおける美術教育史研究を代表するケルプス氏は,その講演で,1900年頃のリヒトヴァルクたち,そして1920年代のA.ベーネらの活動を中心に,日本では比較的知られることの少なかったドイツの美術教育の歴史を,美術館との関連を軸に論じた。リーベルト氏は,二つのくギャラリー・トーク>に立ち会い,ドイツにおける蓄積に立った批評を行った。1-2 シンポジウムシンポジウムは四つのテーマを立てて行われ,ドイツ側は招待された三人がそれぞした。日本側は,テーマに応じて報告者ならびにパネリストが交替し,日本の多様な立場を議論に反映するようつとめた。特に第4テーマでは,シンポジウム開催以前の「行動」及び第1から第3までのテーマの議論を総括的に反映できるよう,「行動」の中心者が報告を行ったほか,各テーマの司会がパネリストとなって議論を深めた。43

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