(1) 外国人研究者招致① 雨と雪:日本美術における傘(Rainand Snow : Umbrella in Japanese Art) 招致研究者:ジャパン・ソサェティー・ギャラリー(日本協会)ゲスト・キューレーター(平成3年度援助)報告者:東京大学文学部教授河野元昭1.滞在中の日程5月1日〜12日および21日〜28日の間東京に滞在し,西田宏子(根津美術館),徳川(徳川黎明会),大島マーク(ハーバード大学),小林忠(学習院大学),佐藤道信・米倉辿夫・鎌倉桂子(東京国立文化財研究所),薮田(歌舞伎傘制作者),佐藤安子(女子文化大学),ジョセフ・シューバート(芸文堂),エドワード・サイデンステッカーの各氏を訪ね,また歌舞伎座にて助六を鑑賞し,資料の収集に努めた。13日〜21日の間は岐阜市に滞在し,薮下浩・寛真理子(岐阜歴史博物館),角房子(浄瑠璃研究者),シュテファン・ケーラー(美濃在住ドイツ人芸術家)各氏のほか,多くの和傘工芸職人を訪問し,情報を集め,実際の制作過程を調査した。特に薮下,ケーラー両氏には,カタログヘの寄稿を依頼し承諾を得た。特別展覧会「雨と雪:日本美術における傘」に展示する作品およびカタログに載せるものは,すでに選定を終了した。これについては,別に添えた複写資料を参照されたい。しかし,日本の文化芸術における傘の歴史に関する私の論文がいまだ完成していない。2.この招致によって発表した著書,論文及び報告書名・講演題目現在のところ,すでに発表した著書・論文などはない。しかし,展覧会カタログは来年3月,展覧会のオープンに合せて発行される予定になっている。また,私は東洋芸術に関する英文雑誌である『オリエンテーションズ』に,日本美術における傘というテーマで論文を発表することになっている。これも先のカタログと同時に出版される。さらに,来年2月ロスアンジェルス・カウンティー・ミューゼアムにおいて,3 2.平成2年度。3年度「美術に関する国際交流の援助」ジュリア・ミーチ(JuliaMeech) -55 -
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