2.スペインの美術館には浮世絵を分類できる者がいなく,コレクションは大切に扱3.現在,ヨーロッパ(特にオランダ,ドイツ,英,仏)では,日本美術に関する情4.現在日本で注目されているモデルニスモの研究にも役立つ。18世紀から19世紀にかけた時代の,浮世絵界と江戸文芸界との関係が,絵師の作画これらの問題を明らかにするためには,何時,如何なる目的で,どのようにして造られたかなど,その主要作例の造像に即して改めて検討する必要があり,またこの事がこの種の肖像彫刻を体系的にとらえる第一歩となると考えられる。⑳ スペインにおける浮世絵:蒐集と蒐集家達研究者:慶応義塾大学文学部講師1.申請者は,スペイン人で唯一人の浮世絵の分類を行っている研究者である。(修博士論文とも浮世絵の分類をテーマとした他,文部省の国費留学生として,京都大学文学部美学学科に所属し,主として上方絵を1年研究。現在,学習院大学文学部の小林忠教授のセミナーを聴講している。)われているが,一般には公開されていない。分類して説明を付せば,コレクションの価値は増し,今後のスペインにおける日本文化研究に役立つ他,展示されたり,カタログが出版される可能性も出る。報交換が研究者の間で盛んに行われており,本調査研究を通じ,スペインもこのような交流に貢献することが可能となる。⑪ 葛飾北斎と江戸狂歌連の研究研究:鎌倉女子大学助手活動と作品に及ぼした影響を明らかにすることを目的とする。江戸時代の文芸のなかでも,特に狂歌と絵画の関係に重点を置く意向である。狂歌が添えられた摺物について,可能な限り整理・体系化を進め,これまで漠然としていた摺物の評価に,当時の社会状況や摺物の制作背景から,個々の作品に対し,その意義付けをなしてゆきたい。また,肉筆画も,多くが浮世絵師へと特別注文され,絵師が制作にあたった作品でセルヒオ・ナバロ・ポロ久保田洋51 _
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